変なところから水が漏れてきた!

水色といっても実際にわたしたちが使っている水は無色透明です。これは日本の水道事情の素晴らしさをあらわしてもいることなのですが、同時に水漏れトラブルに際しては、「その水漏れが何処で生じているのか分かりにくい」という事態を引き起こします。
これが水漏れトラブルの原因発見を遅らせることになり、ひいては被害を深刻化させる要因にもなっているのです。
最近、お風呂場の壁から水漏れが起きているというトラブル報告がありました。現場へいってみると、確かに壁から、と言うよりもお風呂そのものの脇、つまりユニットバスからの水漏れのようでした。
家主さんはユニットバスからの水漏れに興奮気味で「お風呂のお湯を抜いてもまだ漏れているんですよ」と不思議そうに話してくれましたが、実際にはそんなことはあるはずがないので、すぐに壁づたいに水が流れているのだろうと考えました。
お風呂場をぐるっと見渡すと、あきらかに後付けしたと思われるシャワーの設備が目に入りました。銀色に輝く大型のシャワーヘッドはスタイリッシュな人気商品ですが、価格を抑えるためか、接合部などの処理は雑な印象です。水漏れは、そのシャワーヘッドとホースの接合部から生じており、その水が壁をつたってユニットバスまで達していたのでした。確かに素人目には分かりにくい状況です。
またあるときは、トイレのタンクが水漏れしているとの連絡を受けて、その御宅に出向いたところ、確かにトイレの床がびしょ濡れになっており、緊急対応となりました。しかし給水バルブや止水弁にも異常が見つからず、よくよく調べてみると便座そのものと床の接地面から水漏れしていることが分かりました。
家主さんも、まさか便座にヒビが入っているとは考えていなかったようで、とても驚かれていました。
水はほぼ無色透明なため、漏れている場所までたどり着くのが意外と難しく、変な場所から水漏れしているような錯覚を与えるのでしょう。